手芸(テゲイ)のすすめ - TEGEI-

日本の伝統文化・手芸(テゲイ)の魅力を伝えるブログです。

五右衛門風呂 -クラシックスタイル手芸- からのエコキュート風呂

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今回はクラシック手芸の中の代表作、五右衛門風呂をご紹介。

この手芸は段々湯とか、単にお風呂ともいわれ、「日本全国児童遊戯法」明治34年にも載っている割合と有名な手芸です。

小さい頃におばあちゃんやおじいちゃんに教えてもらった、なんて人も多いみたいですね。

 

手芸の中でも、「風呂」という

動物でも人でもないものを象る、変わり種ですね。

 

このお風呂、ギミックが凝っています。

右手の甲が脱衣所、

右手の中指薬指小指と左手の中指薬指小指を組み合わせたところが洗い場、

左手の親指人差し指、右手の人差し指の三本で風呂釜、

右手の親指でふいごor火吹き竹を、表しています。

複雑ですね。

 

子どもには、人差し指と中指で人間をやってもらい、

トコトコと脱衣所で服脱いでカゴに入れて、

洗い場でかけ湯してお風呂に入るのです。

そこで大人が少しいじわるして、親指をパタパタと動かすと、

焚き口に風が吹き込まれてお湯の温度があがります。

 

それと同時に、風呂釜の左手の親指人差し指と右手人差し指を

ギューっとしぼめて

子どもの「人間」を挟みます。

このギューっと締まる痛さが熱さを表現していまして、

「ちょっとあついよー」というと、

右手親指が左手下からぐっと上にきて、

風呂釜に水を入れるしぐさをする。

 

そうすると同時に風呂釜の三本指をゆるめて

「あー、いい湯だな。極楽極楽」と言ってもらう。

 

そうすると今度はぬるくなりすぎて、

「ちょっとぬるいな、釜焚いて」という、

するとまた扇いで熱くなり、エンドレスになる笑。

 

という。手順も芸も細かい手芸です。

 

この手芸は遊びながらも、

服はちゃんと裏返しをもどしてカゴに入れようね、

とか、

パンツとズボンは分けようね、

とか、

かけ湯しようね、

とか、

肩まで浸かって十数えようね、

など、お風呂にまつわる色々を学べる、という効用もありますね。

 

この手芸、見てもお分かりのとおり、

今ではなかなかお目にかかれない、釜焚きのお風呂なのです。

昔はこうやって火を焚いて、お湯が冷めたら誰かが火を吹いていたんだよ、

だから「追い焚き」っていうんだよ、

と話すと興味をもってくれるかもしれません。

となりのトトロ」は釜焚きのお風呂ですね。

 

ちなみに、

この手芸はリメイクすると現代風になります。

右手の親指を、ふいごの役から変更して、

自動湯沸かしの操作パネルを押す仕草にします笑。

そして、「オフロガ、ワキマシタ」とアナウンスしたり、

お湯がはれたときに流れる音楽を口ずさんだりとアレンジします。

追い焚きしすぎて熱くなり、

「タシ水ヲ、シマス」といってぬるくする

というギミックは五右衛門風呂と同じく使えますね。

五右衛門風呂だと、子どもが戸惑ってしまいそうなときは、

現代風呂で試してみましょう!

 

釜焚きの五右衛門風呂と、

リメイクした現代のデジタルエコキュート風呂、

 

是非ともダブルで楽しんでみてください!

 

エビバディテゲイ!