手芸(テゲイ)のすすめ - TEGEI-

日本の伝統文化・手芸(テゲイ)の魅力を伝えるブログです。

手芸の歴史 その1

皆さんが子どもの頃に遊んだ

カエルやワニ、お風呂などの手遊び、手芸、

その歴史は遡ると江戸時代になります。

 

初出(私が調べた限りの)は山東京伝小紋雅話」
寛政2年(1790年)
浮世絵師である京伝がその時代の手ぬぐいのデザインを紹介したなかに、
「ゆびじし(指獅子)」として載っているものです。

※ 山東京伝小紋雅話」

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今ではカエルとして親しまれているテゲイですが、

江戸時代後期にはライオンだったのですね。

手ぬぐいのデザインになるぐらいですから、
その当時の人々の間にはポピュラーなものとして
親しまれていたことがわかります。

 

そして、

手ぬぐいのデザインになるぐらいですから、

もっともっと昔から手芸は子ども達の間で親しまれてきて、

言わば当たり前の存在だったはずです。

 

しかし、何とか、もっと古い資料を、

と思って探しているのですが、

なかなか見つからない。

 

というのも、

こういった「子どものあそび」を記録する、

という試み自体が近代以降のものだからだと思われます。

小紋雅話」にしても、手ぬぐいのデザインとして

偶然にも手芸が載っただけで、

手遊び自体に着目して記録されたものではありません。

このような民間伝承が着目されるようになるには、

柳田國男らが確立した民俗学を待たねばならなかったのでしょう。

 

つまりは、

手芸は、子どものあそびの中で、

文字にならない文化として、

時代を越えて受け継がれてきた、といえます。

 

さてさて、

そうはいっても引き続き初出を遡りたいと考えています。

そこで、本ブログをご覧になっている方の中で、

手芸に関わる文献、特に江戸時代以前のものをご存知の方がいましたら、

是非ともコメントDM頂けましたら。

 

全くの想像ですけど、

平安貴族も、源平合戦でも、戦国武将も、大奥でも、

手芸をしていたんじゃないかと

思うんですけどね笑。

 

エビバディテゲイ!

 

小紋雅話 / 山東京伝 [作・画]

出版情報:通油町(江戸) : 蔦屋重三郎, 寛政2[1790]序

早稲田大学図書館蔵

http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/he13/he13_01956/index.html