狐の窓 -クラシックスタイル手芸-
この手芸は、少し変わった手芸で
云われ、があります。
晴れた日なのに雨が降る、なんて日がありますよね。
そんな天候のことを「天気雨」といいます。
そして、この天気雨のことを地方によっては「狐の嫁入り」というのです。
晴れているのに雨が降っているという不思議な現象を
狐の妖力によるもの、と考えたのかもしれません。
そんな狐の嫁入りの日には、
狐の手を両手に組み合わせてできる「狐の窓」から覗くと、
狐の嫁入り行列が見える、とされてきました。
※化物念代記
※ 「狐の嫁入り」
この「狐の窓」は
天気雨に限らず、
何かフッと気配を感じたり、
妖しい視線を感じたりしたときに
窓から覗くと、妖が、見えるそうです。
妖しくて面白いですね。
とはいっても、
そんな「狐の窓」も、手芸の中の一つとして紹介されていますので、
(呪術的な意味ももちろんあったのでしょうけど)
カエル・指獅子と同じく、子どもの手遊びとして親しまれてきたといえます。
さて、この「狐の窓」は
テゲイの中でもなかなか難しい部類です。
まずは、片手でキツネを作ります。
あの人差し指と小指を立てる、あのキツネです。
それを逆手にしたキツネ同士を組み合わせる、のですが、
※国立歴史民俗博物館著「異界万華鏡」2001.7
手が固い人にはなかなかハードですね。
この簡略バージョンもいくつかありまして、
子どもにはそちらを紹介するのもよいでしょう。
「狐の窓」から、
「あ、妖怪みえた!」とか
「狐の嫁入り行列みえた!」というと、
興味津々になること間違いなしです!
この妖しい手芸、
是非ともチャレンジしてみてください。
エビバディテゲイ!
※大当桂月弓 2巻 『化物念代記』 文政2〔1805〕
古今亭三鳥 作、歌川国丸 画
出版 春松軒西宮新六
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9892368